Case Study 02 — 住民意識調査編
自治体の住民意識調査を
AIペルソナで再現できるか?
横浜市・福岡市・札幌市・名古屋市の実際の住民意識調査 8 設問を
PersonaChoice の AI ペルソナ 各 200 名で再現し、精度を検証しました。
本ページの検証結果は最新版 PersonaChoice v3.0 で実施したものです。評価は「実調査で上位に挙がった項目を、PersonaChoice が上位何位以内で捉えられるか」(Top-K 一致率・Top1 一致)を統一基準としています。
70〜80%
上位関心事項の再現精度
4都市
横浜・福岡・札幌・名古屋
8問
検証設問数
100%
B以上の評価(8/8問)
本ページでは、全国 4 都市の自治体が公式に実施・公開した住民意識調査の結果を基に行った検証結果を紹介します。PersonaChoice による AI シミュレーション結果が、実際の住民回答とどの程度一致するかを比較することで、自治体の住民意識調査の補完ツールとしての有用性と信頼性を検証します。
- 本検証では、PersonaChoice の AI ペルソナ 各タスク 200 名を回答者として利用しています。AI ペルソナは国勢調査などの公的統計データを基に独自の手法で生成された、年齢・性別・職業・収入・市区町村・性格特性を持つ仮想人格です。
- 元の住民意識調査は複数回答(「3 つまで選択」等)ですが、PersonaChoice では「最も重要な 1 つ」を選ぶ形式に変換しています。そのため、比較は選択率の絶対値ではなく「上位グループの構成メンバー(Top-K 一致率)」を主指標としています。
- 検証時に実行したすべてのシミュレーション結果レポートを公開しています。各都市の「タスクレポート」リンクから、PersonaChoice のレポート画面をそのままご覧いただけます。
評価基準
| 評価 | 基準 |
|---|---|
| A | 一致率 ≥ 80% + Top1 一致、または 一致率 100% |
| B+ | 一致率 ≥ 80%、または 一致率 ≥ 60% + Top1 一致 |
| B | 一致率 ≥ 60% |
| C | 一致率 ≥ 40% |
| D | 上記未達 |
※ 偶然の一致を排除するため、評価に用いる順位 K は選択肢数に応じて変えています(目安: K / 選択肢数 ≤ 50%)。10択以上は Top5、6〜9択は Top3 で評価します(例: 6択・8択の設問は Top3)。
Q1: 心配ごと(元調査 問9・13択)
評価 A質問あなたが、近頃、自分やご家族の生活のことで最も心配なものや困っていることを 1 つ選んでください
選択肢①自分の病気や健康、老後のこと ②家族の病気や健康、生活上の問題 ③失業・倒産や収入が減ること ④仕事や職場のこと ⑤景気や生活費のこと ⑥子どもの保育や教育のこと ⑦子どもの結婚や就職のこと ⑧近隣からの悪臭・騒音 ⑨環境問題 ⑩事故や災害のこと ⑪犯罪や防犯のこと ⑫住宅のこと ⑬心配ごとや困っていることはない
| 順位 | 実調査の上位5項目 | PersonaChoice の上位5項目(Top-K一致率) | 一致 |
|---|---|---|---|
| 1 | 自分の病気や健康、老後 | 自分の病気や健康、老後 Top1一致 | ✓ |
| 2 | 家族の病気や健康 | 仕事や職場 | ✓ |
| 3 | 景気や生活費 | 景気や生活費 | ✓ |
| 4 | 仕事や職場 | 事故や災害 | |
| 5 | 子どもの保育や教育 | 家族の病気や健康 | ✓ |
✓ = 実調査の Top5 と PersonaChoice の Top5 の両方に含まれる項目(順位は問わない)
Top5 一致率: 80%(4/5) / Top1: 一致
13 択の選択肢から、実調査の上位 5 項目のうち 4 項目を正しく特定し、第 1 位「自分の病気や健康、老後」も完全一致。年代によって心配ごとが異なる傾向(若者→仕事、高齢者→健康)を AI ペルソナが再現した好事例です。
Q2: グローバル能力(元調査 問16・6択)
評価 A質問グローバルに活躍するために最も必要だと考える能力を 1 つ選んでください
選択肢①語学力やコミュニケーション能力 ②外国人との交流や社会参画を受け入れる積極性 ③多様性や異文化への理解 ④横浜に対する愛着と魅力の発信力 ⑤国際社会の動向などについての幅広い教養 ⑥脱炭素社会の実現に向けた地球規模の問題に対する当事者意識
| 順位 | 実調査の上位3項目 | PersonaChoice の上位3項目(Top-K一致率) | 一致 |
|---|---|---|---|
| 1 | 語学力やコミュニケーション能力 | 語学力やコミュニケーション能力 Top1一致 | ✓ |
| 2 | 多様性や異文化への理解 | 多様性や異文化への理解 | ✓ |
| 3 | 国際社会の動向についての幅広い教養 | 国際社会の動向についての幅広い教養 | ✓ |
Top3 一致率: 100%(3/3) / Top1: 一致
上位 3 項目の順位が完全一致。6 択と少ない選択肢ながら順位再現が完璧でした。
Q1: 景観(元調査 問23・8択)
評価 B質問福岡市の景観や景色の中で最も良好だと思うものを 1 つ選んでください
選択肢①都市を感じられる景観(オフィスビルや商業施設など) ②歴史を感じられる景観(神社仏閣や史跡など) ③アートを感じられる景観(屋外の美術作品やモニュメントなど) ④地域の伝統や文化を感じられる景観(祭りや催しなど) ⑤人と自然を感じられる景観(海、山、公園、農地など) ⑥夜間景観(ライトアップやイルミネーションなど) ⑦屋外広告景観(看板やサインなど) ⑧特にない
| 順位 | 実調査の上位3項目 | PersonaChoice の上位3項目(Top-K一致率) | 一致 |
|---|---|---|---|
| 1 | 都市を感じられる景観 | 人と自然を感じられる景観 | ✓ |
| 2 | 人と自然を感じられる景観 | 地域の伝統や文化 | ✓ |
| 3 | 地域の伝統や文化 | 歴史を感じられる景観 |
Top3 一致率: 67%(2/3)
実調査では「都市景観」と「自然景観」がほぼ同率(62.1% / 60.3%)。8 択は偶然一致を避けるため Top3 で評価し、上位 3 項目のうち 2 項目(人と自然・地域の伝統文化)を共通で特定しました。
Q2: 公園への期待(元調査 問18・12択)
評価 B+質問舞鶴公園・大濠公園で最も期待していることを 1 つ選んでください
選択肢①園路を歩きやすくしてほしい ②樹木が生い茂り、公園内が暗いので明るくしてほしい ③水辺(お濠)の管理を充実してほしい ④眺望や見通しをよくしてほしい ⑤施設や歴史の解説や案内を充実してほしい ⑥売店や飲食店などの店舗を充実してほしい ⑦観光拠点として目玉となる施設がほしい ⑧出入り口をわかりやすくしてほしい ⑨イベント・行事を充実してほしい ⑩駐車場を充実してほしい ⑪ベンチ(休憩スペース)を充実してほしい ⑫特にない
| 順位 | 実調査の上位5項目 | PersonaChoice の上位5項目(Top-K一致率) | 一致 |
|---|---|---|---|
| 1 | ベンチ(休憩スペース) | ベンチ(休憩スペース) Top1一致 | ✓ |
| 2 | 売店や飲食店 | 園路を歩きやすく | ✓ |
| 3 | 駐車場 | 解説や案内を充実 | |
| 4 | 水辺の管理 | 水辺の管理 | ✓ |
| 5 | 園路を歩きやすく | 眺望や見通し |
Top5 一致率: 60%(3/5) / Top1: 一致
実調査で最多の「ベンチ(休憩スペース)」を PersonaChoice も第1位で的中。一方で実際の住民が重視する「売店」「駐車場」といった生活利便性は PersonaChoice では上位に入らず、AI の特性を理解する上で参考になる差も見られます。
Q1: 広報の重点テーマ(R6 問2・14択)
評価 B+質問「広報さっぽろ」で最も重点的に取り上げてほしいテーマを 1 つ選んでください
選択肢①防災 ②公共施設 ③高齢者福祉 ④健康・食 ⑤地域のまちづくり活動 ⑥文化・芸術 ⑦ごみ ⑧子ども・子育て ⑨環境・エネルギー ⑩教育 ⑪スポーツ ⑫障がい者福祉 ⑬ボランティア ⑭特にない
| 順位 | 実調査の上位5項目 | PersonaChoice の上位5項目(Top-K一致率) | 一致 |
|---|---|---|---|
| 1 | 防災 | 防災 Top1一致 | ✓ |
| 2 | 公共施設 | 健康・食 | ✓ |
| 3 | 高齢者福祉 | ごみ | |
| 4 | 健康・食 | 子ども・子育て | |
| 5 | 地域のまちづくり活動 | 高齢者福祉 | ✓ |
Top5 一致率: 60%(3/5) / Top1: 一致
実調査で最多の「防災」を PersonaChoice も第1位で的中。14 択の全項目に回答が自然に分布しました。
Q2: 就職先の重要条件(R7 問19・13択)
評価 B質問あなたが働く会社を選ぶ場合に最も重要な条件を 1 つ選んでください
選択肢①業務内容 ②給料(収入) ③休日・休暇 ④勤務時間(労働時間) ⑤福利厚生の内容 ⑥勤務地 ⑦転勤の有無 ⑧経営状況 ⑨従業員数 ⑩入社後の育成環境 ⑪企業理念 ⑫職場の雰囲気 ⑬特にない・わからない
| 順位 | 実調査の上位5項目 | PersonaChoice の上位5項目(Top-K一致率) | 一致 |
|---|---|---|---|
| 1 | 給料(収入) | 職場の雰囲気 | ✓ |
| 2 | 業務内容 | 勤務地 | |
| 3 | 休日・休暇 | 業務内容 | ✓ |
| 4 | 職場の雰囲気 | 勤務時間 | ✓ |
| 5 | 勤務時間 | 転勤の有無 |
Top5 一致率: 60%(3/5)
13 択のほぼ全項目に回答が分布し、最も均等な分布が得られた設問です。業務内容・休日・職場の雰囲気など、待遇・働き方に関わる項目を上位5に3つ捉えました。
Q1: まちの誇れるところ(問6・13択)
評価 B質問名古屋市の誇れるところ、よいところとして最もあてはまるものを 1 つ選んでください
選択肢①地理的に日本各地への移動が便利 ②名古屋ことば(名古屋弁) ③文化、芸術的な雰囲気がある ④名古屋名物と言われている特色ある食べ物(名古屋めし) ⑤三英傑ゆかりの地で歴史がある ⑥ものづくりの拠点としての技術水準の高さ ⑦活発な経済活動 ⑧名古屋の水道水がおいしい ⑨街並みが美しい ⑩道路が広くて整備されている ⑪環境への取り組みが進んでいる ⑫スポーツが盛んである ⑬特にない
| 順位 | 実調査の上位5項目 | PersonaChoice の上位5項目(Top-K一致率) | 一致 |
|---|---|---|---|
| 1 | 地理的に移動が便利 | ものづくりの技術水準 | |
| 2 | 名古屋めし | 道路が広くて整備 | ✓ |
| 3 | 道路が広くて整備 | 地理的に移動が便利 | ✓ |
| 4 | 水道水がおいしい | 名古屋めし | ✓ |
| 5 | 三英傑ゆかりの歴史 | 活発な経済活動 |
Top5 一致率: 60%(3/5)
名古屋めし・道路整備・移動便利の 3 項目を特定。地域固有の「名古屋めし」も上位で捉えました。
Q2: 悩みや不安(問11・11択)
評価 B+質問あなたが最も悩みや不安を感じていることを 1 つ選んでください
選択肢①自分の健康 ②家族の健康 ③進学、就職、結婚、子育てなど自分の生活上の問題 ④進学、就職、結婚、子育てなど家族の生活上の問題 ⑤現在の収入や資産 ⑥今後の収入や資産の見通し ⑦老後の生活設計 ⑧家族・親族間の人間関係 ⑨近隣・地域との関係 ⑩勤務先での仕事や人間関係 ⑪仕事や家業の経営上の問題
| 順位 | 実調査の上位5項目 | PersonaChoice の上位5項目(Top-K一致率) | 一致 |
|---|---|---|---|
| 1 | 自分の健康 | 老後の生活設計 | ✓ |
| 2 | 老後の生活設計 | 自分の健康 | ✓ |
| 3 | 家族の健康 / 収入見通し | 今後の収入や資産の見通し | ✓ |
| 4 | (同率3位) | 現在の収入や資産 | ✓ |
| 5 | 現在の収入や資産 | 自分の生活上の問題 |
Top5 一致率: 80%(4/5)
実調査では「自分の健康」(61.2%)と「老後」(57.5%)が僅差。上位 5 項目の構成メンバーは 4/5 で一致しています。
全 8 問 総合成績
| # | 自治体 | 設問 | Top1 | Top-K 一致率 | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 横浜 | 心配ごと | ✓ | Top5: 80% | A |
| 2 | 横浜 | グローバル能力 | ✓ | Top3: 100% | A |
| 3 | 福岡 | 景観 | Top3: 67% | B | |
| 4 | 福岡 | 公園への期待 | ✓ | Top5: 60% | B+ |
| 5 | 札幌 | 広報の重点テーマ | ✓ | Top5: 60% | B+ |
| 6 | 札幌 | 就職条件 | Top5: 60% | B | |
| 7 | 名古屋 | まちの誇り | Top5: 60% | B | |
| 8 | 名古屋 | 悩みや不安 | Top5: 80% | B+ |
評価分布: A × 2 / B+ × 3 / B × 3(B 以上: 8/8 = 100%、B+ 以上: 5/8 = 62.5%)
上位項目の一致率は全体平均 75%、最良ケースでは100%(横浜・グローバル能力で完全一致)に達します。
PersonaChoice が向く設問・向かない設問
向くパターン
- ✓「最も○○なものを 1 つ」型
複数の選択肢から最も重要なものを選ぶ形式 - ✓正解がない嗜好分岐型
嗜好や価値観で回答が分かれる質問 - ✓属性で自然に分岐する
年齢・性別・収入で選ぶものが変わるテーマ - ✓地域固有のテーマ
名古屋めし、三英傑、夏の暑さ など
向かないパターン
- ×住民の個人的実態の評価
家族関係の満足度など、AI が「実態」を持たない領域 - ×行動量・認知度・受診状況
「広報紙を読んだか」「検診を受けたか」等 - ×「正解」がある質問
満足度・愛着・定住意向など、社会的に望ましい答えが明らかな場合
結論
住民意識調査における PersonaChoice の精度: 70〜80%
75%
上位項目の一致率
(全体平均)
100%
一致率
(最良ケース)
100%
B 以上の評価(8/8問)
住民意識調査においては、住民の上位関心事項の 70〜80% を正しく特定できることが実証されました。上位項目の一致率は全体平均 75%・最良ケース 100%、8 問すべてで B 以上の評価を獲得しています。
なお、商品選好・マーケティング調査では 80〜90% の精度実績があります。
PersonaChoice の位置づけ
PersonaChoice は実調査の代替ではなく、補完ツールです。
実調査が数百万〜数千万円のコストと数ヶ月の期間を要するのに対し、
PersonaChoice は低価格・即日で、実調査の上位関心事項を高い精度で再現した結果を得ることができます。